ねらい | 介護において認知症を理解することの必要性に気づき、認知症の利用を介護する時の判断の基準となる原則を理解している。 |
修了時の評価ポイント | ・認知症ケアの理念や利用者中心というケアの考え方について概説できる。 ・健康な高齢者の「物忘れ」と、認知症による記憶障害の違いについて列挙できる。 ・認知症の中核症状と行動・心理(BPSD)等の基本的特性、およびそれに影響する要因を列挙できる。 ・認知症の心理・行動のポイント、認知症の利用者への対応、コミュニケーションのとり方、および介護の原則について列挙できる。また、同様に、若年性認知症の特徴についても列挙できる。 ・認知症の利用者の生活環境の意義やその在り方について、主要なキーワードを列挙できる。 例:生活習慣や生活様式の継続、なじみの人間関係やなじみの空間、プライバシーの確保と団らんの場の確保等、地域を含めて生活環境とすること ・認知症の利用者とのコミュニケーション(言語、非言語)の原則、ポイントについて理解でき、具体的な関わり方(良い関わり方、悪い関わり方)を概説できる。 ・家族の気持ちや、家族が受けやすいストレスについて列挙できる。 |
指導の視点 | ・認知症の利用者の心理・行動の実際を示す等により、認知症の利用者の心理・行動を実感できるよう工夫し、介護において認知症を理解することの必要性への気づきを促す。 ・複数の具体的なケースを示し、認知症の利用者の介護における原則についての理解を促す。 |
内容 | 1. 認知症を取り巻く状況 認知症ケアの理念 〇パーソンセンタードケア、〇認知症ケアの視点(できることに着目する) 2. 医学的側面から見た認知症の基礎と健康管理 認知症の概念、認知症の原因疾患とその病態、原因疾患別ケアのポイント、健康管理 〇認知症の定義、〇物忘れとの違い、〇せん妄の症状、〇健康管理(脱水・便秘・低栄養・低運動の防止、口腔ケア)、〇治療、〇薬物療法、〇認知症に使用される薬 3. 認知症に伴うこころとからだの変化と日常生活 (1)認知症の人の生活障害、心理、行動の特徴 〇認知症の中核症状、〇認知症の行動・心理症状(BPSD)、〇不適切なケア、〇生活環境で改善 (2)認知症の利用者への対応 〇本人の気持ちを推察する、〇プライドを傷つけない、〇相手の世界に合わせる、〇失敗しないような状況をつくる、〇すべての援助行為がコミュニケーションであると考えること、〇身体を通したコミュニケーション、〇相手の様子・表情・視線・姿勢などから気持ちを洞察する、〇認知症の進行にあわせたケア 4. 家族への支援 〇認知症の受容過程での援助、〇介護負担の軽減(レスパイトケア) |